ごあんない・案内所

はじめてのActivityPub

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フェディバース(fediverse)は、たくさんの小さなSNSサーバが、共通の作法で手紙をやり取りしてつながっている宇宙です。その作法の名前がActivityPub。MastodonもMisskeyも、この博物街のholloもhackers.pubも、みんな同じ作法を話します。

覚えることばは、まず三つだけでだいじょうぶ。actor(住人ひとりぶんの名刺。あなたのアカウントのこと)、inbox(その人の郵便受け)、outbox(出した手紙の控え)。あとは、歩きながらすこしずつ。

一通の文が、海を渡るまで

  1. 書く → 受付(Mastodon API) hollo 館

    スマホのMastodonアプリで「投稿」を押すと、アプリはholloの受付に頼みます——「これを出しておいて」。

  2. 共通語に包む → 語彙の経蔵 fedify 本島

    投稿はNoteという共通語の包みになり、「作りました」という行いはCreateという動詞になります。この共通語の辞書が、語彙の経蔵。

  3. 宛先を引く → webfinger の門 fedify 本島

    フォロワーの「@friend@mastodon.social」という宛名から、ほんとうの住所(URL)を電話帳で引きます。それがwebfingerの門。

  4. 封蝋を捺す → 儀典の間 fedify 本島

    手紙に署名を捺します。「ほんとうに本人が出した」「途中で書き換えられていない」を、受け取る側が確かめられるように。

  5. 船に積む → 倉の区画 fedify 本島

    手紙はすぐには投げません。いったん倉(キュー)に預けます——相手の島が留守でも、あとで届け直せるように。

  6. 海を渡る → 外交航路 外交の海

    船の正体は、ただのHTTPSのPOSTです。相手のinbox(郵便受け)のURLへ、JSONの手紙を運びます。

  7. 相手の島に着く → 連合の間 fedify 本島

    相手の島の本堂が封蝋を検めて、手紙を台帳に写します。フォロワーのタイムラインにあなたの投稿が現れるのは、この写しからです。

これが全部です。フェディバースの中身は、宛名の電話帳と、署名つきの手紙と、郵便受け——それを何億通ぶんも丁寧にやるための工夫が、この博物街の部屋々々に納まっています。

むずかしい部屋に入ってしまっても、冒頭の「はじめての人へ」の一行だけ読んで、となりへ進めばだいじょうぶ。地図の右下のレンズは、最後のお楽しみに——工学の街の床下にある、数学の隠れ街が見えます。

ことばに迷ったら